当協会サイトからご関心いただき鼻笛を手に入れた、「玉虫さん(仮名)」とのやりとりを、「玉虫書簡」とし、ほぼ原文のまま掲載します。
(ご本人の承諾を得ています)(ちなみに実は彼女は会長の高校時代の同窓生です)
<はじめのメール。玉虫さんから協会へ。タイトル「会長殿ぉぉぉ!!」>
鼻笛キタ!!!
全然音出ないよ〜!!
鼻用の穴に、鼻孔を水平に当てる感じ?
木の匂いがして超癒されるけど、音が出ない件(笑)
<おへんじ。協会から玉虫さんへ。タイトル「Re:会長殿ぉぉぉ!!」>
こんにちは、玉虫さん、会長です。
鼻笛の音が出るということは、新しい自分との出会いです。
最初の一音を大切に。その体験が残っていることはすばらしいことです。
まずは焦らず、いい香りのする小さな友人候補をよく眺めてみてください。
ふん!ってやらなくていいです。酸欠になります。
空き瓶を吹く「びん笛」のようなものです。あるいは、口笛のような。
まず鼻息を、通す練習をしましょう。
ぎゅっと鼻に押さえなくていいです。
鼻息を穴から、しゅーーーーっと下に通す練習をしましょう。
木の鼻笛は形状からして、すべての呼気を穴に通すのは無理です。
横から息が漏れるのは仕方ないのです。
下に息が通る音に耳を澄ませましょう。
横に漏れる息とは違う音のはずです。
しばらくそれをします。普通の呼吸でいいです。
しゅーーー
しゅーーーーと下に息が通るのを感じてください。
がんばらないで、普通の呼吸を。
その鼻息が穴に通っているのを感じられますか?
そしたら、口を半開きにして唇を斜め上に突き出します。
「あいーーーん(バカ殿)」の形に近いです。
もしくは「なんだこのやろー(いのき)」でしょうか。
鼻笛の口穴を囲むように、あいーーんの口を当てます。
鼻笛にチューする感じです。子どもチューです。幼稚園児になったつもりで!
ぺとっと唇を当てたら、ゆっくりシューーーっと息を通してみてください。
ゆっくりとか、少し早くとか、調節しながら。
心は穏やかに、水面のように。あるいはポカンとバカになって。
いかがでしょうか。
一旦出てしまうと、自転車か水泳かというくらい、「音を出さないことが出来ないくらい」自然に出てしまいます。
これは笛である、とか、音を出そう!とか意気込むとうまくいきません。
思いこみやこれまでに備えた常識を一旦打ち破らねばなりません。
どうも、まじめで固い人ほど苦労する傾向があります(笑)
玉虫さんはまずリラックスしなければいけないかもしれないです。ふふふ。
<玉虫さんから協会へ。タイトル「会長殿ぉぉぉ!鳴った!!鳴ったよ!! 」>
会長様
こんばんは、玉虫です。
先ほどは丁寧な説明いただき、痛み入ります。
誠に有難うございます!!
ななな、鳴りました!! 我が鼻笛!!!
会長様のおっしゃるとおり、鼻息が横から抜けるのを気にせずに、
力まず、笛と意識せず、鼻息をふーふー吹き込んでいたのです。
それからおもむろに、ご教授いただいたように子供キッスすべく
口をあいーんにしてつけたとたん…!!
だしぬけに、ポーと澄んだ音が…!!!
チョー感激!!!
会長殿の言うとおりですねぇ!
いったん音出たら、出そうと思わなくても出るようになった。
むしろ、出さないでコーホーウォーズマン状態になる方が難しい…!!
これをどうやって音階にしてゆくのか…
第二段、音階編ご教授お願いいたします!!!!!
感激の玉虫より。
追伸;
解説すごく分かり易かったし、鼻笛に対する愛も感じられる文章で感激!!
これ、初心者さん用のテンプレートになるかも。
名文!!!!!!!
<協会から玉虫さんへ。タイトル「Re: 会長殿ぉぉぉ!鳴った!!鳴ったよ!! 」>
玉虫さん、会長です。
よかったよかった、心配していました。
あなたの真面目で熱血な姿勢は、今後の技術習得には大変役立つでしょうが、
こと最初の「一音」に関しては、障壁になるやもしれんと危惧いたしておりました。
サイトにも書いたのですが、鼻笛はある意味、単体では楽器ですらなく、「笛の部品」なのですね。
(篠笛でいえば「吹き口のみ」ということでしょうか?)
意識としては「私がこの笛を鳴らす」のではなく、「私は笛の一部となる(管になる)」ことが肝要です。あるいは「私はこのパーツを得て笛になる」。どちらの意識でもかまいませんが、人馬ならぬ「人笛一体」となるのですね。
第二段に関していえば、もはや遊んでいればいかようにもなるので、ひょっとしたらもういろんな音が出ているのではないでしょうか?
あえてちょっとした説明をするならば、「口腔と舌の動き」がポイントです。それが音階を生みます。低い音は斜め下に顔と意識を向け「ぼおおーー」の口腔の形、高い音は斜め上向きに意識を置き口腔を狭くすればうまく出るでしょう。
あとは、口笛と同じです。低い方から高い方へ「ぴょ(低)ーーぴいいーーーー(高)」と無段階に音をスライドさせてみると、出せる音の幅が拡がるでしょう。
低音はある程度よりは出にくいようですが、高音はコツをつかむと、「どこまででるんだ??」というくらい、出ます。
しかし、あえて申しますが、性急な技術習得を目指すことは、は鼻笛向きではないように思います。
友人とのつきあいと同じく、長い時間を共に過ごすことが何よりも大切だ、と私達は考えます。インパクトのある出会いは大事かもしれませんがむしろ、いつもポケットに、バッグに入れ、共にある・・・そんなつきあいが理想ではないかと思います。
さて玉虫さん、長くなってしまいましたが、もう一つ。
文章による遠隔指導は、当協会と致しましても、はじめての試みでありました。
基本は「顔突き合わせ、笑いながら」。これは譲れませんが、今回のようなやりとりも、本当に楽しく、協会の活動には必要、と感じました。感謝いたします。
玉虫さんさえよろしかったら、今回のやりとりをサイトに掲載しようかと思うのですが、いかがでしょうか。
それと、ふとおもいついた鼻名「鼻玉虫(はなたまむし)」を、もしお気に召したら、お贈りしたいと思います。
では。
<玉虫さんから協会へ。タイトル「本日の鼻笛っぷりご報告」>
会長様。
鼻笛まことに楽しく、ポケットに入れて会社にまで持っていく始末です(笑)
会社ではまだ披露できませぬが(笑)
本当に小さなお友達になりつつあります。
36にもなって、幼女になった気分です!!
リアル幼女だったころ、お気に入りの小さな犬のぬいぐるみを
いつでもどこでもポケットに入れて、連れて歩いていたことを思い出しました。
> 意識としては「私がこの笛を鳴らす」のではなく、「私は笛の一部となる(管になる)」ことが肝要です。あるいは「私はこのパーツを得て笛になる」。どちらの意識でもかまいませんが、人馬ならぬ「人笛一体」となるのですね。
>
↑この部分、鼻笛の真髄を言い当てているように感じます。
私は、笛になる。なんとステキな響き!! まるで詩のようですね。
笛になって、全身で歌うということなのですね。
今日は、そんなに技術的な向上はいたしませんでした。
ポーとやって喜んでいるのみです(笑)
ただ、鼻笛効果というか、これは是非会長にお伝えせねばと思った
ハッピーな展開が。
わたくし、実は、フルートなどの横笛に、長年説明のつかぬ執着を持っておったのですが、
執着しつつも妙にいじけた気持ちで、実際に取り組むことが出来なかったのです。
やりたいくせに、やる前から怖気づいていたのですね。
ところが!!!
鼻笛を買ってしまったおかげで一気にいきおいがつき、憧れの篠笛も購入、
しかも妄執と成り果てていたフルートまで、実際に吹いてみるというところまで、
現実の行動が発展したのでございます。
横笛に対する膠着状態を、なんと、可愛らしい鼻笛ひとつで打破し、
新しい世界を発展させることが出来たのでございます。
こうやって、ちょっとふざけた感じで書いておりますが、本当に驚いているのです。
鼻笛は、誠にこれまでの凝り固まった世界観を打ち砕くパワーがあるように思います。
鼻笛は、実はしあわせを呼ぶ小さな妖精さんなのではないか…?! と、
疑い始めたところでございます…
素晴らしいものをご紹介いただき、誠に有難うございます!!!
やりとりの、サイト掲載の件、異存があろうはずもございません。
煮るなり焼くなり、お好きなように調理なさって、
お好きなようにお取り扱いくださいませ。
遠隔でも鼻笛に取り組んでみようというかたがたが増えるとしたら、
わたくしとしてもこれ以上ない喜びでございます。
鼻名は、「鼻」という字を必ず含むのがルールでしょうか??
鼻玉虫はちょいと微妙でございますね(笑)
鼻名、自分でもちょっと考えて、後日ご報告させていただき、
会長の許可がおりましたら名乗らせていただきたい所存でございます。
それではまた!!
<協会から玉虫さんへ。タイトル「そ、そうすか」>
素敵な出会いに立ち会えて嬉しい限りです。そして、協会の使命を再認識した想いです。鼻笛がまた、一人の笑顔を生んだのですね。感慨ひとしおです。
さて鼻名の件ですが
>鼻玉虫はちょいと微妙でございますね(笑)
そ、そうでございますか・・・。微妙スか・・・。
その辺はまだ努力しなければですね・・・ゲホングフン。で、では玉虫さん、また!